洋ランの育て方(着生方法、開花、冬越し方法、板付け、増やし方など)
さらに、下記に洋ランに関するよくある疑問をまとめております。
より詳しく知りたい方はご参考になさって下さい。
Q1.
洋ランの原種を販売しているお店を教えてください。
A.
原種は品種改良された胡蝶蘭などに比べて、一般的なホームセンターで販売されていることが少ないと思います。
近くのお店にない場合、楽天などのネットショップで販売されていますので、そちらを検討してみるといいでしょう。
また、洋ラン専門のお店もあるので「洋ラン 原種 販売」などのキーワードで調べてみるのも良いです。
そういったお店だと珍しいものが販売されている場合もあります。
Q2.
洋ランの肥料はネット通販で販売されていますか?
A.
はい。ネット通販で多種多様なタイプの肥料が販売されています。
液体肥料、粒状の肥料、粉状の肥料などなど。
欲しい肥料がお住いの近くのお店にない場合は、通販サイトでの購入を検討してみましょう。
私も楽天で購入しています。
Q3.
洋ランは葉焼けしますか?
A.
はい。観葉植物と同様、洋ランも直射日光が当たる場所に置いておくと葉焼けするものが多いです。
洋ランは、自生地が森林や岩場の日陰になる場所に生えているものが多いからです。
葉焼けの対策としては、部屋に置いている場合はレースのカーテン越しに日光が当たる場所に置くことをおススメします。
屋外に置いている場合は、洋ランの周りに遮光ネットを設置して光を遮るとか、直射日光が当たらない軒下、あるいは私のようにある程度の日光が当たるカーポートの下などで管理するとよいでしょう。
直射日光が当たらない場所でも、時間帯によっては一時的に当たる場所もあります。
特に真夏であれば一時的にでもキツイ日差しに当たると葉焼けする場合がありますので、時間帯によって当たる場所かどうか確認してみましょう。
Q4.
洋ラン用のバークチップは販売されていますか?
A.
楽天やアマゾンでも販売されていますし、一般的なホームセンターでも販売されていることが割とあります。
販売されている所が分からない場合は、店員の方に「バークチップはどこにありますか?」と聞いてみるといいでしょう。
バークチップは粒のサイズが大中小とあり、小になるほど粒と粒の隙間が少なくなり、そこに水分が残りやすくなるので保水性が高まる傾向があります。
反面、根腐れしやすくなる材質なので水やりの加減に注意が必要になります。
自分が育てている洋ランが乾燥を好むものか、湿った状態を好むものかによって選ぶといいでしょう。
Q5.
バークチップで洋ランを育てるコツを教えてください。
A.
洋ランを水苔ではなく、バークチップで育てることも可能です。
基本的な育て方は、水苔に植えた時とほぼ同じです。
水苔との違いとしては、バークチップの場合は水苔よりも乾くのが早い分、水やりの回数が多くなるが、根腐れしにくくなるといったところでしょうか。
Q6.
洋ラン用の植木鉢や、穴あき素焼き鉢はどんなものですか?
A.
洋ラン用の植木鉢には一般的な植木鉢と違い、側面に通気性を良くするための穴が空けられているものがあります。
楽天で販売されているお店をちらっと見たことがあります。
私は使ったことがありませんが、こういったものを使うと一般的な植木鉢よりも根腐れしにくく、より洋ランにとって好ましい環境を作れると思います。
Q7.
胡蝶蘭と洋ランの違いの違いは何ですか?
A.
個人的には、胡蝶蘭やその他洋ラン(デンドロビウム、オンシジュームなど)の販売店の分類上は、胡蝶蘭も洋ランの一種と捉えられている傾向があるように思います。
洋ランという分類の中に胡蝶蘭があるといった位置付けでしょうか。
Q8.
洋ランはホームセンターで買うと、値段的にいくらしますか?
A.
値段はとても幅広いです。
例えば、ホームセンターや園芸店などで販売されている胡蝶蘭を例に挙げてみます。
私の近くのホームセンターでは、個人的に育てることを目的とされているビニールポットやプラスチック製のポット、植木鉢などに植えられているものであれば1000〜1500円ぐらいで販売されています。
最初から贈答用の化粧鉢やビニールに包装されているものであれば、数千円〜1万円以上するものもあります。
たまにですが、ネットオークションやホームセンターの売れ残りのものであれば半額だったり、1000円未満で販売されている場合もあり、タイミングによってはお得に購入できる場合もあります。
ただし、そういったものを買う場合は、花が付いていない場合が多いと思った方がいいでしょう。
花が枯れて終わったから、安くなっているものが多いということです。
逆に値引きされずに販売されているものは、その時点ですでに開花していたり、蕾がいっぱい付いているものが多いです。
ご予算に応じて検討してみてください。
Q9.
洋ランを屋外で育てる場合、置き場所はどこがいいですか?
A.
上記の通り直射日光が当たらない軒下、カーポートの下といった半日陰のような場所がおススメです。
多くの洋ランは、春〜秋であれば屋外で育てることは可能ですが、冬は部屋に入れる必要があります。
Q10.
洋ランをベランダで育てるコツを教えてください。
A.
冬以外の季節であれば、ベランダで育てれるものが多いです。
しかし、注意点があります。
1つは、直射日光が当たる場合、ベランダの物干し竿などに遮光ネットを引っかけて設置するなどの工夫が必要です。
もう1つは、強風や台風などで洋ランや植木鉢、遮光ネットなどが飛んだり倒れたりしないように必要に応じて固定して下さい。
Q11.
洋ランの耐寒性と冬越しについて教えてください。
また、外で冬越しできますか?
A.
洋ランは熱帯原産のものが多いので、基本的に耐寒性は弱いです。
耐寒性が強いものでも5〜10度以上の温度を必要とするものがあります。
冬越しは基本的に部屋の中でします。
ただし、乾燥した風や冷気で洋ランが傷む場合があるので、下記のような場所には置かない方が良いです。
・直射日光が当たる場所
・ファンヒーターやエアコンなどの暖房器具の風が当たる場所
・窓際で植木鉢やランに冬の冷気が当たる場所
私は昼間にある程度日光が当たる窓際にこのように置いて冬越しさせています。
(二重窓で内側の窓は外からの目隠し目的でモザイクのような模様が入っていますので、直射日光ではなく程よく光が入ります。
この場所に置いていて葉焼けしたことはありません。)
ここに写真
外で冬越しさせようとするのは、かなり枯れるリスクがあると思いますので個人的にはおススメしません。
Q12.
洋ランの花が咲く季節や、開花時期はいつですか?
A.
開花時期や季節は洋ランによっても異なり、一概には言えません。
代表的な洋ランである胡蝶蘭、デンドロビウム、カトレアなどでも品種によって開花時期が異なります。
また、ある程度の年数を育てると1年に2回とか3回開花するものもあります。
また、その年によって開花時期が異なる不定期咲きのものもあります。
例えば、花を夏に鑑賞したい場合は開花時期が夏のものを選ぶなど、開花時期から逆算して購入する品種を選ぶのも一つの方法だと思います。
私が育てているもので具体例を挙げると、ディネマポリブルボン(ここにリンク)は購入して2年間は冬にしか咲きませんでしたが、2024年は冬だけでなく夏にも少し咲きました。
Q13.
洋ランの水やりの頻度はどれぐらいがいいですか?
A.
水やりの頻度は育て方や季節などによって変わってきますので、一概には言えません。
目安としては、水苔やバークチップに植えている場合はそれが乾いてからにしましょう。
まだ乾いていないのに水やりをすると根腐れする場合があるからです。
板付けにしている場合は水苔やバークチップに植えているときよりも乾燥しやすいので水やり回数が多くなりがちです。
バンダなどで、根をむき出しで育てており、毎日根が乾いている場合は毎日与えても問題ないでしょう。
私の場合、春〜秋はほぼ毎日水やりしています。
冬は完全に乾いていることを確かめてから3〜4日に1回霧吹きでしっかり与えるという方法で行っています。
Q14.
洋ラン用の肥料はどんなものがありますか?
A.
主に、固形肥料と液体肥料があります。
鉢植えの場合は、固形タイプと液体タイプどちらでもいいと思います。
固形肥料は植木鉢の水苔やバークチップの上に置くもので、液体肥料は適量を水と混ぜて水やりのように与えるものです。
しかし、板に付けて育てている場合は液体肥料の方が使いやすいと思います。
私はこちらを使用しています。
どのように使うかというと、水と液体肥料を混ぜたバケツの中に板ごと数分間浸しておくという方法です。
この方法は、水やりと肥料を与えるのを兼ねた方法といえます。
肥料の濃度が濃すぎると洋ランが傷んだり葉焼けする場合がありますので、肥料の説明書をよく読み、希釈倍率を守ってください.
板付けでも固形肥料を使う方法がありますが、少し工夫が必要です。
板付けにしている洋ランの茎や吊るすために付けた針金に、使い古したストッキングや生ごみ入れのネットなど、固形肥料を入れても落ちない網目のものに入れるという方法です。
この方法だと、水やりをする時に固形肥料にも水をかけると少しずつ肥料成分も溶けて、肥料を与えていることになります。
私的には、バケツに浸す方法の方が手軽で確実な感じがしますのでおススメです。
Q15.
洋ランを木の板付けやコルク付けにして育てる方法を教えてください。
A.
洋ランは野菜や果樹と異なり、板付けやコルク付けといった木製やプラスチック製の板に釣り糸や針金、紐などで固定して育てることも可能です。
根の一部または全部を水苔で覆い、釣り糸や針金、ビニタイなどで板と水苔と洋ランを縛って固定することが一般的です。
しかし、私もそうですが、手先が不器用な人にとっては板に穴を空けたり、洋ランが落ちないように上手く紐などで固定したりするのが難しいという人もいると思います。
初めから板付けしてくれた状態で販売されているものもありますので、そういったものを購入するのも一つの手です。
板付けやコルク付けにすると、鉢植えで水苔やバークチップに植え込むよりも根が乾燥するのが早く、水のやりすぎによる根腐れになりにくいので、私もなるべくこちらの方法で育てています。
その分、水やりの回数は多くなります。
水やりは、ジョウロやホースのシャワーなどで板ごとしっかり濡れる程度に水をかけたり、充分に水を入れたバケツに板ごと数分浸すといった方法です。
また、一般的な木製よりもコルク製とか、プラスチック製の方が軽くて持ち運びしやすいです。
プラスチック製は、穴が表面に満遍なく空けられていて通気性が良くなっているものがあります。
参考に、私が購入した洋ランで最初から板付けにされているものをお見せします。
「キロキスタウスネオイデス」(ここにリンク)という蘭ですが、届いた時から板付けにしてくれていました。
私は持っていませんが、流木に固定しているものも見かけます。
鉢植えに植え込んで育てる場合、水苔やバークチップの表面が見た感じ乾燥していても中はまだ湿ったままだったという場合もあります。
中まで乾いたかどうかは、割り箸などを水苔などに刺して確かめないと分かりません。
さらに私の経験上、鉢植えを冬に部屋に入れている時は水苔やバークチップがなかなか乾かず、表面にカビが生えてしまう場合がありました。
そういった煩雑さがない所も、この育て方の良い点といえるでしょう。
Q16.
洋蘭の水苔やバークチップにカビが生えた場合、どうしていますか?
A.
私が植木鉢で育てていた頃にカビが生えた場合は、カビが生えている部分だけその都度割り箸やピンセットなどで取って捨てていました。
Q17.
洋蘭を育てるのは難しいですか?
A.
結論から言うと、洋ランを育てるのが難しいというのは「昔の話」だと思います。
昔は一般的な住宅の気密性が今より低く、冬でも外の冷気が隙間から入ってきやすかったです。
その分、耐寒性が他の植物よりも低い洋ランの冬越しがしにくかったから、「洋ランを育てるのは難しい」というイメージがあったのでしょう。
逆に最近の住宅は昔よりも気密性が高く、冬でも暖房やストーブなどをすれば十分室内が温かくなります。
そういったものを活用すれば比較的簡単に冬越しできます。
なので、今において難しいとは言えないと思います。
現に私も春〜秋は戸外で育てて、冬は部屋に入れて定期的に霧吹きで水やりするだけですが、それで問題なく冬越しできています。
Q18.
洋蘭を育てる魅力は何ですか?
A.
洋ランのどんな部分に魅力を感じるかは人によって異なると思いますが、個人的な魅力を挙げると、
・開花期間が、他の一般的な花に比べて長いものが多い
・花の配色や色が派手(種類によっては地味なものや小型のものもありますが)
・木の板に付けて、根をむき出しで育てれるものが多いので野性的な趣を感じられる
といった点が挙げられます。
Q19.
洋ランはナメクジに食べられますか?
A.
はい。洋ランはナメクジに食べられるものがあります。
私も、吊るしていた胡蝶蘭の根をかじられたことがあります。
ナメクジ予防の薬剤なども販売されていますが、そういったものを使うのに抵抗がある場合、ナメクジが上ってこれないぐらいの高さがある場所で育てて下さい。
板付けにして、私のように車庫に吊るす場所を作ったり、十分な高さのある物干し竿に吊るすという方法がおすすめです。
私は下記の写真のように育てています。
ナメクジはある程度の高さまでしか上ってこれないという性質があるからです。
Q19.
洋蘭の増やし方を教えてください。
A.
増やし方、増殖方法は主に株分けです。
私はしたことがありませんが、具体例を示します。
下記の写真のように、根と根を繋ぐ茎のような部分の途中をハサミなどで切ると株分けして増やせると思います。
Q20.
洋蘭の鉢の大きさはどれぐらいのものがいいですか?
A.
鉢のサイズは基本的に蘭のサイズから見て、少し窮屈なぐらいのものが良いです。
蘭のサイズと対照的に鉢のサイズが大きいと、植え込み資材が乾きにくくなって根腐れしやすくなります。
さらに、根が水苔などでギュッと固定されていないと茎がふらついて倒れたりする場合もあるからです。
根を水苔などで覆って鉢植えする時、手でギュッと押し込まないと入らないぐらいの窮屈さがあった方がいいです。
Q21.
洋蘭を育てる植木鉢に軽石を使ってもいいですか?
A.
はい。通気性を良くするために軽石を鉢底に入れても構いません。
鉢底から軽石が抜け落ちるのを防ぐために、最初からネットに入れてくれているものも販売されています。
手作りであれば、軽石の代わりにサイコロ型に切った発泡スチロールを入れるという方法もあります。
ご検討してみてください。
Q22.
洋ランで小さい花が咲くものや、あまり背が高くならない小型のものはありますか?
A.
はい。洋ランにはそういったものもあります。
花が咲いても、虫眼鏡などで見ないと形がよく分からないぐらいのものもあります。
ネットショップでも極小ランとか、ミニ胡蝶蘭、ミディ胡蝶蘭、ミニバンダといった名称で販売されているものもあります。
私が育ているもので具体例を挙げますと、デンドロビウムリチェナストラムやショエノルキスフラグランスなどです。
・ショエノルキスフラグランス
・デンドロビウムリチェナストラム
こういったものは部屋のスペースもあまり取りませんし、扱いもしやすいので「洋ランを育ててみたいけど場所を取らないものがいい」という方にはおススメです。
Q23.
洋ランを玄関で育てれますか?
A.
玄関の環境によっては、洋ランを玄関で育てたり鑑賞することも可能です。
ある程度、日光が当たる場所で風通しの良い所で、冬も極端に冷える場所でなければ好ましいといえるでしょう。
Q24.
洋ランを外に出す時期はいつが良いですか?
A.
お住まいの地域の温度によって変わりますので、一概には言えません。
参考までに私の場合を紹介しますと、12月初旬から3月下旬までは冬越しのために自分の部屋で管理しています。
他の時期は屋外(カーポート越しにある程度日光が当たる車庫)で育てています。
Q25.
洋ランの育て方の書籍はありますか?
A.
洋ランの育て方の書籍は多数あります。
胡蝶蘭、デンドロビウム、カトレアなど洋ランの中でも一つの種類に特化して書かれている書籍もありますし、一冊に色んな種類の育て方が書かれたものもあります。
洋ランを育ててみたい場合は、まず色んな種類の育て方が書かれた書籍を一冊チェックし、その中でも自分のお住まいの環境や技術的に栽培できそうなものを選ぶと失敗を少なくできると思います。
Q26.
着生できる植物はどんなものがありますか?
A.
主に、多くの洋ラン(いわゆる着生蘭)、エアープランツ、コケ類、シダ類、タンクブロメリアなどがあります。
Q27.
着生ランの種類にはどんなものがありますか?
A.
主な着生ランを挙げると、カトレア、デンドロビウム、胡蝶蘭、バンダ、バルボフィラムなどです。
ちなみにパフィオペディラムは地生ランの一種なので、木の板やコルクのような資材に着生させることはあまりないと思います。
Q28.
着生欄の育て方を教えてください。
A.
基本的な育て方や管理方法はこちら(ここにリンク)のページにまとめていますので、ご参考になさってください。
Q29.
着生の対義語や逆の言葉は何ですか?
A.
着生の逆は主に地面に生えているものなので「地生」です。
上記の通り、パフィオペディラムは地生ランの一種です。
Q30.
洋ランは多年草に分類されますか?
A.
洋ランも水やりや肥料を定期的に与えて冬越しさせれば、翌年もまた開花します。
1年で枯れないという意味では、多年草に含まれると思います。
Q31.
洋ランの「キロスキスタビリディフラバ」の育て方や管理方法について教えてください。
A.
キロキスタの中でも「ビリディフラバ」は特に代表的な品種で、楽天などでも季節問わず販売されていることが多いです。
しかし、私はビリディフラバを持っておりません。
ルニフェラ、ウスネオイデス、サクラは育てています。
どれもビリディフラバと育て方は同じです。
こちらに育て方(ここにリンク)を掲載しておりますので、よろしければ参考にしてみて下さい。
Q32.
洋ランの中でもミニバンダとも呼ばれる「アスコセントラム」の育て方や管理方法について教えてください。
A.
こちらに育て方(ここにリンク)を掲載しておりますので、よろしければ参考にしてみて下さい。
バンダは小型から大型のものまであり、品種によって異なります。
大型のものでは育て続けていると、1メートルを超えるものもあります。
そういったものがスペース的に困る場合、アスコセントラムを含めたミニバンダと呼ばれるものがおススメです。